下地島と下地島にある通り池
沖縄地方には御嶽があり現在でも祭事が執り行われるなど日本本土とは異なる伝統や信仰が残っています。同様に多くの伝説が存在しており、沖縄地方の神秘性をより高め、沖縄地方に対する好奇心が刺激されます。
沖縄各地に伝説が存在しますが、その中でも下地島にある通り池に伝わる伝説は有名です。ダイビングスポットとしても人気の通り池ですが、伝説にも関心を持ってみて下さい。
下地島通り池のある下地島とは、宮古列島を構成する島の一つです。サンゴ礁の隆起でできた面積9.54㎢の有人島で、パイロット養成用の空港となっている下地島空港はその光景の美しさから観光客に人気です。宮古島から橋でつながっているため、下地島には陸路で行けます。
通り池通り池は下地島を代表する観光スポットとなっています。国の名勝、天然記念物に指定されている海岸近くに位置する2つの池です。海に近い池は水深45m、陸側の池の水深は25mと深いです。陸からは2つに見えますが、水中ではつながっています。そして、池は更に海につながっています。
池は海の影響を大いに受け、潮の満ち引きによって水面の高さは変化します。水深による水中温度や淡水と海水の混じり具合による塩分濃度の違いにより、多くの生き物を見ることができます。更に通り池が人気なのは、サーモクラインです。
サーモクラインとは温度の異なる水が混在する時にできる水の層のことで、通り池では見る時々で池の色が変化することで知られています。その神秘さもあって、観光客にもダイバーにも人気の池となっています。
通り池の伝説
通り池を見るとその色や雰囲気に不思議な感覚にとらわれる人もいるかもしれません。きっと沖縄の人も昔から神秘性を感じてきたのでしょう。通り池には様々な伝説が存在し、地元の人だけでなく観光客にも知られています。
人魚伝説(ユナイタマ伝説)昔、ある漁師が釣り上げたのは下半身が魚類で上半身が人間のいわゆる人魚でした。漁師は人魚を切って隣の家にもお裾分けしました。人魚は海に帰りたくても帰れず、海にいる母親に助けを求めて母親が津波を起こしたと言われています。
漁師とその隣家の家は津波にのまれ、その家の跡が池になったという伝説です。以上は概要ですが、諸説あります。
実際に、下地島辺りでは歴史上何度か津波被害にあっているという記録があります。過去にこの地域を襲った津波に由来する伝説だと解釈されています。ユナは沖縄方言で海、タマは魂や精霊を意味するので人魚は海の精霊を指すとも言われています。
継子伝説(ママ子伝説)昔、ある男は妻に先立たれてしまいました。残された子どもを思ってのこともあり後妻を迎え、後妻との間にも男の子が生まれました。後妻は先妻の子を疎ましく思い始め、ある日2人の子を通り池に連れていきました。
先妻との子を滑りやすい岩場に、自分の子はしっかりとした岩場に寝かせました。そして、夜中になった頃に先妻との子を池に突き落としました。しかし、後妻が知らない間に兄弟は場所を変わっていたのです。硬い岩場では寝られないという弟を気遣って、兄である先妻の子は自分の場所を弟に譲りました。
家に逃げ帰る途中、先妻の子が母親に弟はどこに行ったのかと尋ねたことで自分が実子を殺したことに気付いた後妻。後妻も実子を追うように池に身を投げたという伝説です。
下地島の通り池の伝説を知った上で見る通り池
自然が造形したと思えないほど美しく神秘的な通り池ですが、通り池にまつわる伝説はハッピーエンドというわけではありません。伝説と合わせて下地島や周辺の離島の歴史や文化、風習などにも思いを馳せながら通り池を見てみて下さい。